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「シフト制勤務」で働く非正規労働者の働き方の実態と課題

「シフト制勤務」で働く非正規労働者の働き方の実態と課題

 

シフト制勤務者の雇用管理と働き方の実態を調査

       独立行政法人労働政策研究・研修機構が3月31日、「シフト制勤務」で働く非正規労働者の実態等に関する調査結果」を公表しました(実査期間2021年9月10日~16日)。この結果から言えることをご紹介します。

      ※この調査でいう非正規労働者(日雇いを除く)とは、いわゆるシフト制勤務者とオンコール勤務者を合わせた「シフト制勤務群」、固定した勤務日と勤務時間が決められている固定勤務者、交代制勤務者です。

       

      労働条件の通知状況

       勤め先で働き始めるにあたっての労働条件の明示状況について、シフト制勤務群については次のようになっています(複数回答)。

      ・書面での交付…59.5%

      ・FAX・メール等での明示…3.7%

      ・口頭での説明…25.4%

      ・一切受けていない…20.6%

       シフト勤務群については固定勤務者や交代制勤務者の場合に比較して、口頭での説明や一切説明を受けていないという割合が高く、その分、書面での交付割合が少なくなっています(固定:70.2%、交代制:68.4%)。

       労働条件をめぐるトラブルを防ぐには、労働条件を書面で明示するほか、法律や就業規則を周知することも重要です。機会をとらえて実施していきましょう。

       

      コミュニケーション不足はトラブルのもと

       同調査では、シフト制(交代制を含む)という働き方をより良いものにするために改善して欲しいことについても尋ねています。

       「特にない」という回答も多い一方、「具体的な勤務日等(シフト等)をある程度の余裕をもって示してほしい」「具体的な勤務日等(シフト等)の決定にあたっては、労働者の希望を十分踏まえてほしい」といった、会社とのコミュニケーション不足がうかがわれる回答が目立っています。

       職場のコミュニケーション不足は、職場に対する安心感や信頼感を不足させ、認識の行き違いからハラスメント問題が発生しやすくなるなど、トラブルの温床を作り出すことになります。積極的に労働者の希望を聞くなどの対応が必要でしょう。

       

      【独立行政法人労働政策研究・研修機構「「シフト制勤務」で働く非正規労働者の実態等に関する調査結果」】

      https://www.jil.go.jp/institute/research/2023/227.html