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「50人の壁」とメンタルヘルス不調者の増加

「50人の壁」とメンタルヘルス不調者の増加

 

「50人の壁」とは

       「50人の壁」とは、社員数が50人を超えると発生する経営課題のことを指しています。マネジメントを行うために社長のほか複数の管理職が必要となり、人事制度も複雑化するので管理レベルも高まるタイミングです。また、社員数が増えることで、情報共有や意思疎通が難しくなるため、組織内のコミュニケーションの質が低下するともされています。

       この50人の壁と符合するように、メンタルヘルス不調者の割合が高まってくるようです。

       

      メンタルヘルス不調者がいる企業は社員数50人超で大きく増加

       帝国データバンクが行った「健康経営への取り組みに対する企業の意識調査」では、過去1年間で「過重労働時間となる労働者」や「メンタルヘルスが不調となる労働者」がいるかどうかを尋ねたところ、次のような結果が出ています。この調査の有効回答企業数は1万1,039社ですので、わが国での一般的な傾向と考えられます。

       

      <社員数とメンタルヘルス不調者がいる割合(%)>

      ・5人以下 …………… 5.0%

      ・6人~20人…………10.8%

      ・21人~ 50人………19.5%

      ・51人~ 100人 ……31.6%★

      ・101人~300人 ……45.5%

      ・301人~1,000人 …59.0%

      ・1,000人超 …………62.0%

      (全体集計では、21.0%[5社に1社]が「いる」と回答)

       

       このように、規模が大きな会社ほど割合が高まっており、50人を超えたところで全体での数値を超えている状況がわかります。

       会社が大きく成長するほど、人事労務管理の重要性も高まってきます。メンタルヘルス不調を防止するためには、定期健康診断の確実な実施、職場の喫煙対策、労働時間管理や仕事の進め方の見直しなどによる労働密度の適正化などが重要ですので、今一度、自社の状況を見直してみましょう。

       

      【帝国データバンク「健康経営への取り組みに対する企業の意識調査」】

      https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231011.pdf